2015年8月18日発行

【ベルギー便り しなやかで強かな女性外交力】⑧〜国をあげてのお花の巨大見本祭り

グランパラスのフラワーカーペット

【8月18日、mulan=ブリュッセル】


■広場に花の絨毯が敷き詰められる


日本は「花」というより「花火」の季節ですが、ベルギーでは春から夏、秋まで、花の美しい季節が続きます。

ベルギーでは、花のフェスティバル、イベントも多く、おそらくいちばん有名なのは世界遺産であるグラン・プラスで2年に1回開催されるBrussels Flower Carpet(ブリュッセル・フラワー・カーペット)でしょう。約80万本もの色とりどりのベゴニアが広場に花の絨毯として敷き詰められます。

2013年からは、合間の年にフラワー・タイムというイベントが開始されています。

今年の8月も市庁舎内は美しい花のアレンジ、アートに彩られました。フラワー・カーペットはもちろん圧巻ですが、普段は入れない市庁舎の中での様々な花を使った展示は、またフラワー・カーペットとは異なる魅力があります。

ベルギーはベゴニアの一大生産地で、そのほとんどは1860年以来、ゲント近郊で栽培されています。約80%がアメリカ、オランダ、フランスに輸出されているそうです。

フラワー・タイムでは様々な種類の花が飾られていましたが、フラワー・カーペットはベゴニアの良さを伝えるためのいわば巨大見本帳ともいうべきベゴニア・ショーです。ベゴニアのみでは出せない色については、ダリアや芝など他の花や植物も使われますが、フラワー・カーペット開始当初からベゴニアが中心となっています。


■2016年のフラワーカーペットのテーマは日本


フラワー・カーペットの次回開催は2016年8月12〜15日。

2016年は、日本とベルギーの外交関係樹立から150周年を迎える記念の年になります。この日本・ベルギー友好150周年にあわせて、フラワー・カーペットも日本がテーマとなる予定です。美しいグラン・プラスに色鮮やかなベゴニアで日本らしいデザインが繰り広げられる光景は、まさに両国の友好の象徴ともいえる素晴らしい機会になるものと思います。

ベルギーの花産業の中心地であるゲントでは、古くから花の栽培、品種改良等の研究が行われています。特に日本との縁も深いのが、アザレアです。ゲントでは、日本のツツジから生まれたアザレアの栽培が大変盛んです。かつては、ベルギーだけで250万鉢のアザレアが世界各地に輸出されていたそうです。

ベゴニア、アザレア以外にも、バラ、ラン等多くの花が栽培されています。

ゲントでは、5年に1度、Floraliën Ghent(ゲント・フローラリア)という花の祭典が行われます。

次回の開催は2016年4月22日~5月1日。

2010年に開催された前回から大きく方針転換し、新たなフローラリアを目指しているため、準備期間も1年長くなっています。これまでのエキスポ会場での花の博覧会というイメージを一掃し、よりインターアクティブな形でゲントの街中に広がる4会場において、花や花を使ったアートの展示が行われるそうです。


■日本とベルギーの友好と交流が花ひらく


こちらも、フラワー・カーペットと同様に、日本・ベルギー友好150周年の一環として、日本が招待国になることが決定しています。4会場のうちの1会場のテーマはEast meets West。この会場には、竹を使ったパビリオンが並び、その中でいけばなや盆栽の展示やデモンストレーション、日本由来でゲント特産のアザレアの展示などが予定されています。

花の国ベルギーで、日本とベルギーの花を通じた友好と交流が、2016年にはまさに大きく花開くことになると思います。フラワー・カーペットの前夜祭では通常花火も上がります。世界遺産のグラン・プラスで日本の花火のような大きなものはもちろん望めませんが・・・・。

ぜひ、多くの方々にこの2つの花のイベント時期にあわせてベルギーを訪問していただけたら、と思います。【了】

※筆者の個人的な見解で、所属する組織の公式見解ではありません。


栗原恵津子(くりはら・えつこ)
1995年慶應義塾大学法学部法律学科卒業、外務省入省。1996-1998年、英国ケンブリッジ大学留学、その後、英国、ブルネイでの在外勤務を経験。東京ではアフリカ、西欧、経済連携協定、ユネスコなどを担当する部署で勤務。2014年1月にベルギーに赴任、広報文化全般を担当。

市庁舎のバルコニーから見たグランプラス。向かいは「王の家」と呼ばれる建物。

お花をふんだんに使ったドレス風の作品。

普段は入れない市庁舎の中もお花の展示でいっぱい。

会食スペースも色とりどりのお花であふれかえっている。


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