【対談 金澤悦子×横田由美子】自分らしく、ラクに人脈を広げるための4つのレッスン〜1stレッスン

金澤悦子氏(左)と世田谷ものづくり学校にて/撮影 編集部
【8月10日、mulan=東京】
キャリアを考える女性にとって気になる課題の一つ「人脈づくり」。人脈を広げるために、悪戦苦闘している人も少なくないのではないでしょうか?
そこで、ムーラン代表の横田由美子が、はぴきゃりアカデミー代表の金澤悦子氏をお招きして、伝授された「自分らしく、ラクに人脈を広げるための4つのレッスン」(全4回)をお届けします。
1stレッスンは、「人脈を育む視点を持とう」です。
■初対面の人と会うのが本当は苦手
横田 金澤さんは、お仲間に囲まれているイメージがあるのですが、やっぱり人脈づくりはお好きですか?
金澤 人は好きですね。でも、初対面の人と会うのは、大の苦手で。
横田 そうなんですか? セミナーや講演会で話している姿を見ると、そんな風には全然、見えませんけど。
金澤 よく、言われます(笑)。でも、かなりの人見知りなんですよ。
横田 実は私も大の人見知りなんで、同じですね(笑)
金澤 え〜っ それこそ意外ですね。横田さんといえば、第一線で活躍している方々とつながっていて、顔が広い印象がありますけど。
横田 人脈って呼べる関係ができるようになったのは、40代になってからですよ。今はそれなりの人脈がありますが、その裏には、同じくらい関係が切れてしまった方々がいますから。
金澤 わかります。私も今でこそ、自分らしい人とのつながり方ができるようになりましたが、かつては、相当、悩んでいました。
横田 例えば?
金澤 起業してからは、事業の幅を広げたい、という想いもあって、新しい人ともっと出会わなきゃっと思っていて。それに、社長仲間から誘っていただくこともあって、苦手なんですけど積極的に交流会に足を運ぶようにしていました。でも、思うような成果が出なくて。いただいた名刺の枚数は増えるのですが、一番求めている次=お仕事につながる出会いを引き寄せることはできなかったんです。
横田 わかります。私も全く同じような悩みを今、もっています。
■一瞬にして相手を虜にするカリスマ性もなければ、自己PRも下手
金澤 交流会に行くと、一瞬にして相手の心を掴み、仕事につなげる人っているじゃないですか?
横田 います! います!
金澤 私もそんなカリスマ性を持ちたい! そうならなきゃっていけない!って思い込んでいたんです。少しでも近づこうと、盛り上がりそうなネタを考えては、話の展開のシミュレーションをしてみたり、本やセミナーで話し方や自己PRを勉強してみたり。私なりに努力はしてみたのですけど……
横田・金澤 うまくいかない(笑)
横田 私も結構、無理していましたよ。時間に遅れたら大変!と、待ち合わせの1時間以上も前に行って、ウロウロしていたりして。はじめての人に会うのって体力を使うので、体調が悪いときなんかは最悪でした。
金澤 そこまで準備して臨むのに、
横田・金澤 帰りは、「いつも自己嫌悪の嵐」ですよね(笑)
金澤 なんであんなこと言っちゃったんだろう、相手は私をどう思ったかしら? そんな後悔や不安ばかりが頭を過って、どっと疲れていましたね。
横田 私も正直、初対面の人と会うのは、苦痛以外の何者でもありませんでした。
■第二印象で勝負する
金澤 交流会は修行の場とばかりに悪戦苦闘していのですが、あるとき気づいたんです。第一印象で勝負しなくてもいいんじゃない?って。
あっという間に相手の心を掴み、お仕事につなげられる人に憧れはするけれど、そのやり方は私には向いていない。第一印象で勝ち目がないのなら、第二印象で勝負すればいいんじゃないか、と考えるようになって。
横田 第二印象?
金澤 第一印象が、初対面でのものなら、第二印象は、じっくり育てていくイメージです。人脈づくりをロングスパンで考え、ジワジワと好印象にもっていく方法なら、無理なくできるんじゃないかと。
横田 なるほど。人脈を育てるってことですね。
金澤 はい。そう視点を変えたら、人脈づくりがラクになってきたんです。
横田 それは、興味深いお話ですね。次回は、どう人脈づくりをラクにしていったか、について伺いたいと思います。(取材・構成 ムーラン編集部)【了】
金澤悦子/かなざわ・えつこ
株式会社はぴきゃり代表取締役。株式会社リクルートホールディングスを経て、94年、株式会社キャリアデザインセンターに創業メンバーとして参画。01年、日本初の総合職女性のためのキャリア転職マガジン「ワーキングウーマンタイプ」を創刊し、5000人以上の女性を取材。現在、『はぴきゃりアカデミー』(http://www.i-color.info/)を運営し、オリジナル素質診断ツール「i-color」を使ったセミナーを通じて、年間300人以上の女性たちを「ココロとサイフが満たされる仕事発見」へと導く。近著に、『人見知りでも「人脈が広がる」ささやかな習慣』(実務教育出版)がある。